オランダ アクセス権の行使を阻害する対応に83万ユーロ(約1億円)の制裁金


アクセス権の行使を阻害する対応に制裁金

オランダのデータ保護監督機関(AP)は、オランダで信用情報を金融機関に提供する非営利団体の信用登録局(BKR)に対して、2019年7月30日に83万ユーロ(約1億円)の制裁金を課していたことを2020年7月6日に公表した。BKRは、データ主体のアクセス権の行使を行わせないように、アクセス権の行使に対しオンラインでは高額の料金を請求し、郵送では無料だが年1回しか許容していなかったということである。 GDPR第15条第1項は、「データ主体は、管理者から、自己に関係する個人データが取扱われているか否かの確認を得る権利、並びに、それが取扱われているときは、その個人データ及び以下の情報にアクセスする権利を有する。(各号略)」として、データ主体のアクセス権を保障し、同条3項は「管理者は、取扱中の個人データの複製物を提供する。データ主体から求められた追加的な複製物の提供に関し、管理者は、業務運営費用に基づいて、合理的な手数料を課金できる。(以下略)」として、複製物の提供についての合理的な手数料しか課金できないため、BKRのアクセス権の行使を阻害する対応はGDPR15条に違反する。

本件について、APの委員長であるAleid Wolfsen氏は「信用情報に関する個人データへのアクセスは非常に重要です。なぜならば、信用情報が誤っていると、融資や住宅ローンの取得に影響が出る可能性があるからです。したがって、処理されている個人データをすばやく簡単に確認できること、それが正しい方法で行われているかどうかが重要です。」と述べている。

制裁後の動き

BKRは、APの調査後の2019年4月以降、無料で個人データをオンラインで確認できるように変更し、また、2019年3月以降、郵送で閲覧できる回数も増やしている。なお、BKRは裁判所に不服申し立てを行ったため、83万ユーロの制裁金については確定した額ではない。

 

【EDPBの記事】
https://edpb.europa.eu/news/national-news/2020/national-credit-register-bkr-fined-personal-data-access-charges_en

【APの公表】
https://autoriteitpersoonsgegevens.nl/nl/nieuws/boete-voor-bkr-vanwege-kosten-bij-inzage-persoonsgegevens

 

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