【追記:Appleが適用延期を表明】 iPhone用新OSの適用開始が迫り、ネット広告利用各社へ影響も


iOS 14ではプライバシー保護が大幅に強化

Apple社のiOSの新バージョンであるiOS 14が2020年6月22日に発表され、大きな反響を呼んできた。今秋提供開始が予定されているが、地図、翻訳等のスマートフォン利用の利便性を向上する施策の中、この発表の中で強調されていたのが「プライバシー保護」の強化である。

 

追跡の許可が必要に

Apple社の開発者向けのサイトでの解説によれば、概略以下の通りである。

(1)Appのデータ使用方法を説明する

App Storeにてユーザーが下記を確認できるようになる。

  • そのアプリが収集するデータの種類
  • その情報を用いたユーザーの追跡
  • 個人やデバイスとの紐付けの有無

(2)追跡の許可が必要になる

  • ユーザー追跡やデバイス広告識別子へのアクセスにはAppTrackingTransparencyフレームワークが必要
  • ID for Vendors(IDFV)により「同一のコンテンツプロバイダ」の複数アプリ間でのユーザー追跡は可能
  • 許可を得ていない場合には、他社が所有するアプリやwebサイト間でのユーザー追跡はできない
  • ユーザー追跡とは、通常、ターゲティング広告や広告効果測定で行われているユーザーやデバイスに関するデータを紐づける行為や、それらをデータブローカーに渡すことを示す。

 

Facebook社が懸念表面

このプライバシー強化策は、現在行われているターゲティング広告の手法に大きく影響を与えるものである。各方面から懸念が表明されてきており、例えばFacebook社は8月27日に同社の事業者向けブログにおいて次のように述べている。

  • Facebook社は今後、iOS 14上の広告向け識別子を収集しない。
  • ユーザーにFacebook上、Facebook以外の活動でのユーザー情報の選択を通知する。
  • iOS 14用のSDKをリリースする。

その上で「広告のターゲットに関する精度やキャンペーン等に関する計測が影響を受けるであろう。このため、Facebook社が最善を尽くしたとしても、iOS 14のアップデートが非効率をもたらすであろう」との懸念を表明している。

 

世界的な個人データ保護の潮流の中で、ターゲティング広告に関して、プラットフォーマー側からの取組みとして注目されるものであり、今回のiOSでのプライバシー強化施策の成否は大きな影響を与えるものと思われる。

 

Apple社の開発者向けサイト

https://developer.apple.com/jp/app-store/user-privacy-and-data-use/

 

Facebook社の事業者向けブログ

https://www.facebook.com/business/news/preparing-our-partners-for-ios-14-launch

 

【2020年9月4日追記】
Apple社が追跡許可開始の延期を表明

2020年9月3日、Apple社が開発者向けサイトにて「開発者に時間を与えるために、追跡の許可の取得の開始を来年早期まで延期する」と表明した。詳細は今秋に公開するとしている。

Apple社の開発者向けサイトの該当するニュース

https://developer.apple.com/news/?id=hx9s63c5&1599152522

 

 

 

 

 

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