米FTC、子供向けアプリのターゲティング広告で制裁金


米連邦取引委員会(FTC)は、6月4日、子供向けゲームアプリが違法に子供の個人データを取得していたことに関して、開発運営企業およびその代表者が連帯して400万ドルの制裁金(ただし一部猶予)を支払うこと、違法に取得した個人データを廃棄すること、再発防止策を講じることなどを条件に和解したと発表した。

和解を受け入れたHyperBeard, Inc.は、Axolochi, BunnyBuns, Chichens, Claberta, Clawbert, KleptoCatsなど多数の子供向けゲームアプリを開発、運営している。同社は広告エージェントのSDKをアプリに組み込み、端末を一意に識別する広告用IDを設定し、ゲーム利用者の行動を分析することにより、アプリの画面で子供に向けた行動ターゲティング広告を表示していた。これらのオペレーションについて、同社は保護者に対して情報提供せず、保護者から同意を取得していなかった。これらの行為は13歳未満の児童から個人データを取得する場合、保護者への情報提供、保護者の同意を義務づける児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に違反するとして、FTCがカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に訴えを起こし、同社に違反行為の中止と制裁金支払いを求めていた。

なお、FTCは、この和解において、運営企業および代表者の資力不足を考慮して、運営企業が15万ドルを支払い、財務状況に関する申告が虚偽でないことを条件に残額を猶予することを認めた。

FTC委員長は、今回の同意判決に関する声明の中で、この事件のように消費者が被った実際の損害額を具体的に示すことが難しいケースでは、FTCが課す制裁金は違反行為を抑止する(deter)有効な手段であり、制裁金の額を決定するにあたっては、違反行為が法遵守よりも大きな利益をもたらすべきではないということを考慮すべきだと述べている。

企業は、米国、欧州で子供のプライバシーに関連する法執行が増えつつことに注意すべきである。

 

カリフォルニア州北部地区連邦司法裁判所が提示した同意判決案

https://www.ftc.gov/system/files/documents/cases/192_3109_hyperbeard_-_proposed_stipulated_order.pdf

FTCの報道発表

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2020/06/developer-apps-popular-children-agrees-settle-ftc-allegations-it

FTC委員長の声明

https://www.ftc.gov/system/files/documents/public_statements/1576438/192_3109_hyperbeard_-_statement_of_chairman_simons.pdf

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