中国 新しい民法の成立


新しい民法の採択

 2020年5月28日、全国人民代表大会において中国の新しい民法が採択された。新しい民法は1260条から成り、以下の7つの編と補足規定で構成されている。

①             総則

②             財産権

③             契約

④             人格権

⑤             結婚と家族

⑥             相続

⑦             不法行為責任

新しい民法は2021年1月1日に施行され、同時に現行の結婚法、相続法、民法一般規則、養子縁組法、保証法、契約法、財産法、不法行為法等は廃止されるとのことである。

 

プライバシーの定義の明確化と個人情報の保護の強化

④人格権の編の中の第6章には「プライバシーと個人情報の保護」が設けられ、「プライバシー」の定義が明確化され、プライバシーや個人情報の保護が強化されている。

具体的には、プライバシーとは「自然人のプライベートな生活の安寧及び他人に知られたくないプライベートスペース、プライベートな活動、プライベートな情報」と定義され(1032条)、法律上の例外や権利者の明示的合意がない限り、①電話、SMS、インスタントメッセージングツール、電子メール、チラシなどで他人の私生活を侵害すること、②他の人の家やホテルの部屋などのプライベートスペースに立ち入り、写真を撮ってのぞくこと、③他人の私的活動を撮影、盗聴、盗聴、公表すること、④他人の身体の私的な部分を狙って覗き見すること、⑤他人の個人情報を取り扱うこと、⑥他の方法で他者のプライバシーを侵害することが禁止される(1033条)。

また、個人情報とは、「電子或いは他の形式で記録された単に或いは他の情報と結び付けて特定の人を識別することのできる各種の情報を指し、姓名、生年月日、身分証明書番号、生物上の識別情報、住所地、電話番号、eメール、健康情報、居場所等の情報を含む」と定義され(1034条)、個人情報の処理は、合法性、正当化および必要性の原則に従い、過度に処理されず、①自然人或いは後見人の同意、②公開処理情報の規則、③情報処理の目的、方式及び範囲の明示、④法律、行政法規の規定及び双方の約束に違反しない(1035条)、という個人処理の原則も規定されている。さらに、個人情報の処理について免責される場合(1036条)、個人情報の主体の権利(1037条)、個人情報を処理する者の義務(1038条)についての規定も設けられた。これにより、個人情報への侵害に対する司法的救済が以前よりも容易になる、と考えられる。

【全国人民代表大会の公式ウェブページ(民法:百科事典)】

http://www.npc.gov.cn/npc/c30834/202005/530a28f7f2544e14934711371ad6f376.shtml

【全国人民代表大会の公式ウェブページ(民法誕生)】

http://www.npc.gov.cn/npc/c30834/202005/1247ca1d376e47e9b02a3053dd438e2d.shtml

【新しい民法の全文】

http://www.banyuetan.org/yw/detail/20200602/1000200033137441591062000434301766_4.html

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