労働組合等への従業員個人データ提供の適法性


労働組合等への従業員個人データ提供の適法性

 

EUROACTIVが3月19日に伝えたところによると、欧州で、雇用主から労働組合、労使協議会への従業員情報提供の適法性に関する議論が起こっている。

雇用主が労働組合への従業員情報提供を拒否

欧州労働組合連盟(ETUC)が同日に発表した調査によると、雇用主がGDPRを「悪用」して、労働組合への従業員情報の提供を拒否する事例が多数報告されているという。ETUCの主張によれば、職場への物理的アクセスは労働組合の基本的な権利であり、デジタル社会においては、従業員データへのアクセスも労働組合活動にとって同等の重要性を持つところ、従業員データへのアクセスが拒否されることにより、組合員の動員、組合員への情報提供、新規組合員の勧誘に支障をきたしているという。

GDPRでは加盟国に国内法を制定する権限(88条)

GDPR88条は、雇用関係における個人データ保護について、EU加盟国に対して、GDPRの規定よりも詳細なルールを国内法として制定する権限を与えている。たとえば、GDPR88条の授権に基づくドイツ連邦データ保護法26条によれば、会社の同意や該当従業員の事前の同意を取得することなく、団体交渉の権限を持つ労働組合、労使協議会は、組合員を新規獲得する目的で従業員にメールを送信すること、従業員に情報提供を行うことが許されている。

該当国の国内法調査が必要

EU域内の事業所において労働組合、労使協議会から従業員個人データの提供を求められた場合、該当国の国内法を調査する必要がある。

 

EUROACTIV記事:

https://www.euractiv.com/section/digital/news/employers-accused-of-abusing-eu-data-privacy-rules-to-hinder-trade-unions/

ドイツ連邦データ保護法:

https://www.gesetze-im-internet.de/bdsg_2018/BJNR209710017.html

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