GoogleとYouTube:動画視聴者の年齢にかかわらず、子供向け動画に関するターゲティング広告の表示を禁止する措置を発表(2020/1/6)


GoogleとYouTube:動画視聴者の年齢にかかわらず、子供向け動画に関するターゲティング広告の表示を禁止する措置を発表(2020/1/6)

2020年1月6日、GoogleとYouTubeはブログにおいて、子供向け動画に関しては、同動画の視聴者年齢にかかわらず、ターゲティング広告の表示や、コメント、ライブチャット、通知、ストーリー、プレイリストへの登録等の機能を提供しないこととすると公表した。

これは、2019年9月に発表された、GoogleとYouTubeの児童オンライン保護法(COPPA法)違反に基づく、米連邦取引委員会(FTC)とNY司法長官との和解に基づく措置と考えられる(同和解は本ビズリスニュースで既報)。

<2019年9月の和解の内容>
同和解は、FTAおよびNY司法長官からGoogle及びYoutubeに対する民事訴追において、Google及びYoutubeが親の同意なく、13歳未満の子供に対してターゲティングクッキー(Cookie)を取得してターゲティング広告を表示していることが、COPPA法違反と訴えられた訴訟においてなされたものである。

なお、COPPA法においては、13歳未満の個人情報を収集する前に、親の同意を取得することが義務づけられている。同法の個人情報の定義には個人をWebで識別するために用いられる持続的識別子も定義されており、ターゲティングクッキーも個人情報に含まれると解される。

また、親の同意は親であることを明確にするため厳格な要件が要求されており、例えばクレジットカードによる少額決済や親の署名入り同意書による確認が要求される。本件においてGoogle・Youtube側は、Youtubeの規約において13歳未満の子供のアクセスは禁じられている、動画は子供のみならず大人も視聴している等主張していた。

しかし、COPPA法は、(1)「子供に向けられている」(directed to children)Webまたはオンラインサービスを運営している事業者、または(2)子供から個人情報を収集することについて「現実の認識」(actual knowledge)を有する事業者に適用されるとされている。そして、Youtubeの動画が「子供に向けられている」または子供からの個人情報収集の「現実の認識」があれば、子供からターゲティングクッキーを取得しているYoutubeのみならず、FTCによれば第三者にも、COPPAが適用されることになる。

この(1)「子供に向けられている」の要件としては、主題、ビジュアルコンテンツ、アニメーションキャラクターの使用、子供向けのアクティビティや得点、音楽その他のオーディオコンテンツ、モデルの年齢、有名な子供や子供に人気のある有名人の登用、Webまたはオンラインサービスにおける言語等の特徴、Webまたはオンラインサービス上で宣伝されまたは表示される広告が子供に向けられているか否か等を考慮して、「子供に向けられている」かが判断される旨法律上規定されている。

以上からすると、Youtubeの動画が上記考慮に従い「子供に向けられている」または「現実の認識」があると判断されれば、COPPAの適用対象となることとなる。

最終的に同和解において、Google側が計1.7億ドル(約180億円)の和解金を支払うとともに、動画が子供向けか否かを提供主が識別できる仕組みを提供すること、Youtubeが子供向け動画はCOPPAを遵守しなければならないことを提供主に通知すること、およびGoogleとYoutubeは子供から個人情報を収集する前に親の明確な同意を取得すること等のCOPPA遵守等を義務づけられていた。

Youtubeが子供向け動画に関しては、同動画の視聴者年齢にかかわらず、ターゲティング広告の表示をやめると発表したことには、本件和解に従う意図があったものと考えられる。

<本事件の教訓>
本事件の教訓としては以下の2点があげられる。
(1) COPPAの適用対象かどうかは、Web管理者の宣言内容(例えばこのサイトは13歳以上を対象としている等の宣言や規約)に関係なく、Webで提供しているコンテンツ・商品・サービスの性質が客観的に子供向けと認められるかどうか、あるいはウェブ管理者側に、Webで子供の個人情報(ターゲティングクッキー等)を取得している現実の認識があるかどうかで決まる。
(2) COPPAを遵守して保護責任者同意取得を実装しないと、FTCの取締を受ける。これを避けるには、COPPAに準拠した保護責任者同意取得を実装するか、それとも、当該コンテンツにおけるターゲティング広告を全面的にやめるか、企業は選択を迫られる。

【Google・Youtubeの子供向け動画に関してターゲティング広告の表示を禁止する措置発表】
https://youtube.googleblog.com/2020/01/better-protecting-kids-privacy-on-YouTube.html
【本件に関する報道】
https://www.washingtonpost.com/technology/2020/01/06/youtube-overhauls-advertising-data-collection-kids-content/
【2019/9の和解に関するFTCのwebでの発表】
https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/09/google-youtube-will-pay-record-170-million-alleged-violations

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