CNIL、採用活動のGDPR遵守対応を解説:選考自動化には求職者の同意が必要


フランス監督機関(CNIL)、採用活動のEU一般データ保護規則(GDPR)遵守対応を解説:選考自動化には求職者の同意が必要

求職者を自動的に選考する際の問題点について、CNILで問い合わせ対応の責任者であるEric Delisle氏が、フランスの新聞「Le Parisien」紙の取材に回答した。

採用活動では、テキストマイニング技術を用いたCV(履歴書)の分析、面接での音声や表情の分析による求職者の評価など、AIを用いた自動的な選考が進んでいる。こうした採用活動は、個人データ処理の点でさまざまな課題を含んでいる。

Delisle氏は、AIの機械学習、特に自己学習アルゴリズムは、そのメカニズムや評価基準が求職者に理解されにくいため、利用を正当化するのは困難であるとしている。また同氏は、採用活動でのAI利用への対応を、CNILの2020年の優先事項としていることも明らかにした。

自動化された採用方式を求職者に適用することについて、同氏は求職者からの明確な同意が得られない限り認められないとした。その理由として同氏は、GDPR第22条に定められた「データ主体が自動的な意思決定に服さない権利」を挙げている。自動的な採用活動は自動的な意思決定に該当するため、その実施にはデータ主体である求職者の自由かつ明確な同意が必要であるが、同意を拒んだ場合には求職者が就職できないことがあるため、同意を得られたとしてもそれは自由な同意ではなく、自動的な採用活動において求職者から自由な同意を得ることは事実上不可能である。そのため、採用過程では部分的であっても人による介入が必要であるとしている。

さらに同氏は、採用担当者が取り扱えるデータが採用活動に「直接かつ必要な」データに限られ、採用担当者の関心が正当であると証明されるべきであり、求職者は自分の個人データが最終的にどのように使用されるか知らされなければならないと述べた。また、採用活動における個人データの取扱いに関する文書を2020年前半に発表するとしている。

本報道は、採用予定者が選考される過程がよりブラックボックス化され、それが個人データの適切な処理や求職者の権利に重大な影響を及ぼす可能性があることへの警告であるといえる。欧州域内で社員の採用活動を展開する企業等は、採用プロセスにおける個人データの処理がGDPRを遵守しているか、求職者の自由や権利を著しく損なうものでないかについて検証することが望ましい。

Emploi : «Non, le recrutement automatique ne peut pas être imposé aux candidats»
http://www.leparisien.fr/economie/emploi/emploi-non-le-recrutement-automatique-ne-peut-pas-etre-impose-aux-candidats-05-01-2020-8229042.php

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