イギリスは「列の13番目」:欧州データ保護監督官が英国の十分性認定について言及


イギリスは「列の13番目」:欧州(ヨーロッパ)データ保護監督官がイギリスの十分性認定について言及

ワイウィオロスキ(Wiewiorowski)欧州データ保護監督官(EDPS)は、十分性認定によるイギリスと欧州の個人データの自由な流通について、「イギリスは列の13番目だ」と発言し、十分性認定プロセスでイギリスを優先的に取り扱うことを否定したと、12月25日にイギリスのフィナンシャル・タイムズが報じた。同監督官はまた、イギリスを優先させることは「十分性認定の準備を進めてきた各国に対して若干アンフェア」であるとした。

欧州関係者はBrexit決定後数度にわたり、Brexit後の十分性認定には時間がかかるとイギリス側に伝えてきたとされる。十分性認定には幅広い論点について欧州と申請国が調整を図る必要があり、ブッタレーリ前監督官も「気の長いプロセスだ」としていたほどである。

ワイウィウォロスキ監督官は、イギリスにおける法執行部門、特に情報機関による個人データの収集や処理、情報監視におけるEU一般データ保護規則(GDPR)遵守に懸念があるとしている。また欧州関係者は、Brexitにおいて欧州とイギリスとの間で解決すべき課題は膨大であり、データ保護に高い優先順をつけられるかは見通せないとしている。

現在のところ、GDPRの枠組み内にある欧州とイギリスの間では、特に金融、技術、医療等の分野を中心に、日常的に個人データが流通している。イギリスの十分性認定が認定されない場合、イギリスから欧州への個人データの移動はイギリス国内法に基づき、一時的にはそのまま継続できるが、欧州からイギリスへの個人データの移動にはSCC(標準契約条項)締結などの安全保護措置の実施が必要となる。産業界はその対応が「莫大な負担であり、特に中小企業にとっては手の届かないものになる」と警告している。

2020年2月以降、イギリスと欧州は移行期間に入り、イギリスの正式なEU離脱に向け、さまざまな手続きや調整が進められることになる。イギリスと欧州との間の個人データ流通についても、両者の間でGDPR上の要件が満たされない限り、欧州側の判断で停止または制限が実施されるリスクは否定できない。データ流通が阻害された場合の損失を考慮すると、移行期間中に何らかの合意に達する可能性もあるが、データ保護の分野においてもイギリスの離脱手続きの進捗に十分に注意し、ビジネスの継続が阻害されないような手立てを検討することは意義がある。

UK at ‘end of queue’ for data deal with Brussels
https://www.ft.com/content/875a903e-2313-11ea-b8a1-584213ee7b2b

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