英監督機関委員長がオンライン上の子供のプライバシー保護に言及


イギリス監督機関委員長がオンライン上の子供のプライバシー保護に言及

イギリス監督機関(ICO)のデーナム委員長は、イギリスメディアのインタビューに答え、2020年はオンライン上の子供のプライバシーと安全の確保を最優先事項に設定するとした。また、子供のデータの不適切な取り扱いでアメリカ連邦通商委員会から制裁を受けた中国の動画共有アプリ「TikTok」に対する調査を実施していることも明らかにした。

インタビューにおけるデーナム委員長の発言要旨は以下のとおりである。
〇 イギリスにはTikTokのユーザーが非常に多く、TikTokが(子供の)個人データを編集して公開し、表示し、そのデータを第三者の広告主に販売していることを懸念している。TikTokの調査はまだ継続中である。
〇 子供たちの両親は子供のプロファイリング、ビデオゲームの「特定の方向へのナッジ(注:パブリッシャーが押させたいボタンを大きく見せるなどして閲覧者にそのボタンを押させたりするような仕掛け)」、ポルノサイトへのアクセスなど、多くの危険性を心配している。
〇 私たちが行おうとしているのは、子供たちをインターネットから遠ざけることではない。我々はインターネット上で彼らを保護したいのであり、子供たちは年齢相応の手段によって、インターネット上で教育と娯楽を追求することができる。
〇 我々は今日の子供たちを保護したい、将来的に子供たちを保護したい。彼らの世代は常に接続された世界で成長しているからだ。
〇 今日の子供たちは、オンラインとオフラインの概念があまりにも曖昧で、彼らにとってほとんど無意味だと思うので、子供についていえばまったく新しい世界で規制しているということだ。

ICOは本年12月の総選挙の前に、インターネットの会社が子供の安全を守るための基準案を詳述した、子供向けコードとよばれる法的文書「年齢に適した設計規範」の最終版を政府に提出している。

WHOは本年5月、ゲームで遊ぶ時間を制御できないなど、社会生活に重大な支障をもたらす身体的状況を「ゲーム障害」と定義し、国際疾病分類に追加した。ゲームやSNSがもたらす社会的問題から子供の生活を守る必要性について、規制当局の関心は、イギリス以外の各国でも高まりを見せている。プライバシー保護の分野でも、過度な個人データや児童ポルノの流通が、子供の自由と権利を一生にわたって傷つける危険性が懸念されている。

一方で、現代社会はインターネットの存在と切り離しできないものになっており、ICOも子供の教育におけるインターネットの有用性を認めている。そのため、監督機関としてオンライン上の子供の安全確保措置の規準として上記の規範文書を整備したと考えられる。

子供のプライバシー保護は、アメリカでも子供のオンラインプライバシー保護法(COPPA)で規制が実施されている。2020年は世界各国で子供のオンラインプライバシー保護の動きが活発化することが考えられる。子供を対象とした商品やサービス、広告を企画する企業等は、各国・地域の法律に沿って十分な安全確保措置を講ずるべきである。

Data regulator hones in on TikTok as it makes child safety top priority for 2020
https://www.itv.com/news/2019-12-26/data-regulator-hones-in-on-tiktok-as-it-makes-child-safety-top-priority-for-2020/
年齢に適した設計規範(Age-appropriate design code)
https://ico.org.uk/media/about-the-ico/consultations/2614762/age-appropriate-design-code-for-public-consultation.pdf

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