IAPP欧州データ保護会議2019報告「EUのcookie規制、年明けから本格的に取締開始か」


「ヨーロッパのクッキー(Cookie)規制、年明けから本格的に取締開始か」

11月18日から21日まで、ブリュッセルで開催されたIAPP Europe Data Protection Congress 2019に参加しました。世界各国からデータプライバシーの実務に携わる法律家、コンサルタント、監督機関職員などが参加し、講演のほか、テーマ別に参加者がインタラクティブに議論するワークショップも多数開催されました。今年の本イベントの特徴として、欧州(ヨーロッパ)のクッキー規制に関するセミナーやワークショップが特に多いことが特筆されます。イギリス、フランスの監督機関が夏にクッキー規制のガイドラインを公表した際に、約半年の猶予期間を設け、事業者によるコンプライアンス努力に期待し、新年から本格的に取締を始めるとの方針が明らかにされていましたが、いよいよその時が間近に迫り、多くの参加者がコンプライアンスの最低ラインはどこにあるのかなど情報収集に努めていました。

欧州司法裁判所が今年7月に示したFashionIDでは、ターゲティング広告などを目的とするFacebookのプラグインやサードパーティクッキーをWeb管理者がウェブに埋め込む場合、Web管理者とFacebookはEU一般データ保護規則(GDPR)26条に規定する共同管理者(Joint Controller)の立場に立つとの判断がありました。また、イギリス、フランスが夏に公開したクッキー規制ガイドラインでは、ターゲティング広告目的のサードパーティクッキーをWebで利用する場合には、クッキーポリシーにおいてそのようなサードパーティクッキーの目的および管理者である広告代理店を明示することが求められています。

折しも11月19日には、イギリスの監督機関ICOがデジタル広告業界の実務者とクッキー規制に関する意見を交わす公聴会の2回目が開催されました。議事内容は非公開なので、正確な詳細はわかりませんが、出席した広告業界実務者の話によると、ICOは、クッキー利用に関する情報提供の正確性についての現状を見ると、規制が期待する水準には達していないとの感触を持っているようです。また、12月には、2回に渡る公聴会の結果を踏まえたガイドラインの改訂版が出されるであろうとの観測も聞かれました。

本格的な取締が近づく一方、事業者が遵守しなければならない最低ラインは次第に明らかになってきました。

IAPP Europe Data Protection Congress 2019
https://iapp.org/conference/iapp-europe-data-protection-congress/

(IIJ 鎌田博貴)

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