ターゲティング広告に関するCCPA規制について対立する修正法案が提出される


ターゲティング広告に関するCCPA規制について対立する修正法案が提出される

昨年6月に制定され、来年施行予定のカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)が事業者に課する義務のうち、最も重要で事業者にとって負担が重いのが、オプトアウト権だ。消費者のオプトアウト権行使により、事業者は第三者に対して個人情報を金銭的約因その他の価値ある約因のために開示することができなくなる。Web閲覧履歴をネット広告事業者間で共有することにより、閲覧者の趣味・生活スタイルなどに関するプロファイルを生成し、閲覧者ごとに広告をカスタマイズする、いわゆるオンラインターゲティング広告を目的とする個人情報の開示はこの規制の適用を受けると考えられてきた。

ヘンリー・スターン州上院議員(民主党)が提出したCCPA修正法案SB753は、オプトアウトの対象となる個人情報の開示から「特定の広告を消費者に対して配信し、表示し、その効果を測定し、その他これを提供し、または監査するために必要な限度において、他の事業者または第三者に対して唯一識別子を共有または開示すること」を除外することを規定しようとする。この修正法案が成立すれば、オンライン行動ターゲティング広告を目的として、ブラウザを一意に識別するクッキー(Cookie)やモバイル端末を一意に識別するモバイル広告識別子(IDFA、AAID)をアドテック・パートナーに開示することは、オプトアウト規制の対象外となる。しかし、個人ごとにカスタマイズされた広告を配信するためのリアルタイム広告入札では、これらの識別子だけでなく、ある閲覧者が属するデモグラフィック・グループを表すカテゴリー・コードと呼ばれる属性データなど、識別子と組み合わせることにより個人情報を構成する様々なデータが交換されており、この修正法案だけでオンライン行動ターゲティング広告がCCPAによるオプトアウト規制の適用から完全に除外されるかどうかは議論の余地がある。

一方、消費者の個人情報に対する権利をより強化する修正案も提出されている。バフィー・ウィックス下院議員(民主党)が提出した修正法案AB1760、ハンナ=ベス・ジャクソン上院議員(民主党)が提出した修正法案SB561では、オンラインターゲティング広告を目的とするものだけでなく、あらゆる個人情報の第三者開示について、オプトインの同意を要求するとともに、法定損害賠償の対象となる民事訴訟の範囲を、セキュリティ義務違反によるデータ侵害事故だけに限定せず、あらゆるCCPA違反による損害に拡大することを提案している。

これらの修正法案は、CCPAやデータ保護政策をめぐる広告業界とデータ保護団体の対立の構図を反映するものとなっており、来年の施行までに州議会での激しい議論が予想される。

各修正法案原文:
https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billTextClient.xhtml?bill_id=201920200SB753
https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billTextClient.xhtml?bill_id=201920200AB1760
https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billTextClient.xhtml?bill_id=201920200SB561

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